Honda シビック TYPE R EURO(2009〜)
ホンダを代表するスポーツタイプにふさわしいクルマだけが冠することができる称号、「タイプR」。NSXタイプR、インテグラタイプRに続き、タイプRシリーズ第三弾にはシビックが選ばれた。そのシビックタイプRは海を越え欧州へと渡った。スポーツカー発祥の地であり、自動車文化が非常に強く根付いている欧州。荒れた路面や連続するコーナー、高い制限速度という過酷な道路環境で鍛え上げられたからこそ、欧州の人々に愛されるクルマとなった。
ボディは捻れ剛性を徹底的に強化し、路面のうねりや高速移動時のボディの歪みを押さえ、安定した挙動としなやかな乗り心地を実現させた。外観のデザインは非常にダイナミックである。コンパクトなボディが大きく感じられ、ボリューム感が強い。3ドアハッチバックの特徴を存分に生かしたデザインになっている。 エンジンは2.0リットルDOHC i-VTEC。最高出力は201PS/7,800rpm、最大トルクは19.7kg-m/5600rpmと、扱いやすさを配慮して控えめになっているが、6速MTが組み合わされることにより、パワー不足を補っている。更に欧州ならではの特徴として、エンジン下置きの2次バランサーが挙げられる。これにより振動、音を抑えながらも加速時のエンジンサウンドの質を向上させ、長時間の移動でも飽きることのない快適なドライビングが楽しめる。
そうして、欧州で多くのホンダファン、タイプRファンを生み出したタイプRは「TYPE R EURO」として日本に逆輸入されることとなった。国内のハッチバックは、5ドアが多い中、3ドアのハッチバックが日本にやってくるということで、ホンダファンは大きく沸いた。2009年11月、2010台限定で2009年モデルが日本国内での販売が開始されると、たちまちに人気が沸騰。半年足らずで1,850台以上が販売されるなど、日本市場でも高い人気を誇った。2010年10月には2010年モデルが1500台限定で追加販売されている。しかし欧州では、欧州の新排出ガス規制であるユーロ5にタイプRが適合できていないことから、ほとんどの地域で2010年末に販売が終了されてしまった。ユーロ5が適応されていない地域では、生産・販売が継続されている。